今日は自由が丘マルディグラに、桜井真樹子さんの創作作品「はなこのおむこさん」というこけし浄瑠璃を見に行った。
2011年、日本では3.11なる大地震と津波が起き、多くの人が犠牲になった。西ではアラブの春が起き、圧政に反対する若者たちが犠牲になった。
南三陸では、最後まで「逃げて~」とマイクを離さなかった若い女性が津波に飲み込まれた。その女性をモデルに、津波でなくなった「はなこ」が、お婿さんを探しに行く。お婿さんは、野菜と果物を売っていた屋台を警察に壊され、抗議するために焼身自殺をはかった「ブアジージ」
私は、昨年の11月に、この作品を作るにあたって、方言や歌を学ぶためのW/Sの旅に声をかけて頂き、舞台になる場を見て歩いた。町は再開発されて生まれ変わっていたが、人々の心は触るとまだ血が吹き出そうな痛みを抱えていることが良く分かった。10年くらいで消えることはない、大きな喪失感。
これらの出来事を忘れないように、でも残された人が癒されて、前を向いて生きていけるようにという願いを込めて作られた作品。
白拍子、声明のパフォーマーの桜井真樹子さん、長唄の塩原庭村さん、三味線の杵屋浅吉さん、打楽器奏者の立岩潤三さん、それぞれが素晴らしい演奏家たちの素晴らしいパフォーマンス。
なんと、チュニジアのお弁当付き。おいしゅうございました。イベントフードコーディネータのマリアさん、珍しいお弁当、ありがとうございました!! こけしの箸置きも彼女のアイデア。
桜井真樹子さんは異能の方。国立音楽院でオペラを学んでいる時の日本音楽の授業の講師。彼女の授業の面白さから、オペラよりとっぷり日本音楽に魅了された。演奏家たちとの人脈が半端なく、創作スピードも半端ない。
フィールドワークを重視。国立音楽院での夏休みの課題はお祭りの音楽の調査だった。阿蘇神社の御田祭りを取材に行き、神輿について回っていたら、阿蘇神社の神主さんから打ち上げに誘われたのがいい思い出だ。能にハマったのも、女性能に誘って頂いたのがきっかけだった。
今日の作品を見て、長唄&三味線の面白さにも惹かれた。和物、深いわ。これからはDiscover Japanかも。