何の気なく本棚を見たら、ランの手入れについて書かれた本に目が留まった。
昔、母が暮れになるとお歳暮がわりに、シンビジウムを送ってくれていた。旦那の実家にも送っていたらしく、ランが好きな義母が玄関に飾っていてくれた。
その鉢がまだ庭にあり、花は咲かないけどまだ枯れずに頑張っている。
この洋ランは、実家のそばの「あんみつ姫の館」というお店が育てているもので、全国的に出荷している有名なランである。
義母が植えていたものは君子欄だと思う。厚い葉っぱで、オレンジ色の花が咲く。
こちらも義母が施設に入ってから誰も世話をしなくなり、庭の陰におきっぱになっている。栄養がたりないのか、葉っぱの先が枯れてしまっている。
このランたちが、一斉に花開いた時があった。すごく不思議だったのだけど、それは2020年5月に義父が亡くなったときだった。
君子欄はそれまでにも何度か咲いたのを見ているが、シンビジウムの方は一度咲いたが最後、二度と咲いていなかった。(管理が難しいのだ)
その時は、鉢の君子欄が全部咲いただけではなく、シンビジウムまで咲いていたのだ。本来の豪華な咲き方ではなく、貧弱ではあったが・・・ともかく咲いたのだった。
義父が亡くなって、葬式の手続きなどを済ませ、実家に帰ったときに初めて気がついた。ちょうど、コロナが全国的に拡大して死者が出始めた頃だったので、施設は面会を禁止しており、私と旦那は、亡くなる前に3回だけ隔離された面会室で10分位会う事が出来た。結局3回目に会った翌日に亡くなったが、側にはいてあげられなかった。
ランというと、この時庭に咲いたランの花たちと、最後、肺に水が溜まって苦しそうだった義父の顔が浮かぶ。
今日はこの本を手に取り、そうだ、シンビジウムの鉢を1個持って帰ろう、そして手入れして花を咲かせようと思い立った。
シンビジウムは咲くと半年くらい持つ。いつも12月に送られて、5月くらいまで咲いていた。家を買った年に初めて送られてきて、とても感動したのを覚えている。
母はそうやって、いろんなものを送ってくれていたなあ・・とあらためで思い出す。
今は兄夫婦が、子供たちの家庭に季節の果物を送っているようだ。時々私にも半田ソーメンを送ってくれたりする。なんか嬉しいよね、そういうのって。
それにしても、ランが咲きそろったあの日の出来事は何だったのだろう。今も不思議でしかたがない。
