実家の思い出

JuniperBerryさんの「田舎の玄関の話」の記事を読んで、私も実家の事を思い出した。

 

実家は祖父が宮大工に立てさせたという、田舎では珍しい家で、昭和の初期にタイル張りの広い風呂があった。障子が当たり前の頃に、1階も2階もがラス戸。

当時、羽振りのよかった祖父がブイブイ言わせていた頃に建てたもの。

でも祖父はガンで早くなくなり、戦争に突入。生活力のない祖母が一人で父を育てないといけなかったので、着物を売ったり、疎開の人を受け入れて、部屋を貸したりしてかろうじて生活していたそうだ。

見合いで結婚した母はおどろいたそう。お医者さん一家が疎開していたので、納屋は入院部屋になっており、表の8畳の和室は、別の母子が住んでいる。居間と2階が新婚生活の場所。戦時中はどこも似たようなものかもしれない。

小学4年時に家を改装したので、台所と土間の一部はキッチンに。玄関の裏にあった2畳くらいの和室はちょっとした客間だったが、そこも土間と一緒にして新しい洋室の客間になった。

庭には6本の八重桜があり、4月末から咲き、見事なピンクになるのです。家庭訪問時期に咲くので、先生がとても見事とほめてくれるのが誇らしかった。和室でそういってくれる先生の姿が今もイメージとして残っており、あの和室は良かったなあと懐かしい。

幼稚園になる頃に水道が整備された。それまでは庭の井戸を使っていた。高校のころまで生きていて、井戸水はめちゃ美味しかったが、農薬の問題が出始めて井戸水は使えなくなり今は埋めてしまって跡形もない。

小学生までの10年くらい、私の生活は夢のような時間だった。はっきりした記憶の最初は菜の花畑とレンゲソウの畑にいるところ。今でも菜の花の黄色と緑は元気の元だ。

春になると、お遍路さんの列が増えたり、渡し舟に自転車を載せて対岸の銀行に勤めに出る母を見送ったり。柿の木に登って柿を食べたり、田植えのおばさん達に混じって一緒におにぎりと沢庵を頂いたり。。

もう二度と味わえないかと思うと寂しい。

 

実家の近くの四季をアップしてくださっているブログがあるので、ちょっと紹介。

吉野川穴吹川の風景に、帰省した気分になります。

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